【続編④】リストラ・パワハラ 退職「失業手当」「傷病手当金」について知ろう! ~ 節税・節約編 ~

イラスト:【続編❹】傷病手当金・失業手当(リストラ宣告で自殺の心配が…)

リストラ ・ パワハラ (セクハラも) ⇒ 退職 を 公的給付で乗り切ろう!

傷病手当金の受給期間中に、診察代や薬代、さらに税金や国民年金の負担を減らす方法をご案内します。

リストラ、パワハラ(セクハラも)で退職を余儀なくされた方… 公的給付(傷病手当金、失業手当)の受給が確定した後も、気を抜かず節約に努めましょう!

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今回は【続編④】です。
節約(診察代や薬代の軽減、節税)をテーマに、傷病手当金を受給している期間中の「やると良いこと」をご案内します。

 

 

過去記事のおさらい

過去記事では「傷病手当金をスムーズに申請しよう」のテーマで、 リストラ・ハラスメント退職後の生活費に困窮しないための公的給付についてご案内しました。

過去記事:
【その①】リストラ・パワハラ 退職「失業手当」「傷病手当金」について知ろう! ~ 傷病手当金・申請編 ~ は こちら

 

 

直近の記事では、「傷病手当金 受給中の過ごし方」というテーマで、受給中に
“ やるべきこと 
“ やってはダメなこと ”
を具体的に挙げて、毎月継続して安定的に給付を受けるための知識をご案内しました。
加えて、失業手当の受給にも触れました。

直近記事:
【続編③】リストラ・パワハラ 退職「失業手当」「傷病手当金」について知ろう! ~ 受給中の正しい過ごし方編 ~
こちら


イラスト:頑張ってやってみよう

当記事では 受給期間中における

“ やると良いこと ”

について、診察代や薬代、さらに税金などの負担を減額する手続きについてご案内します。

傷病手当金をもらっている間は働くことが出来ないので、生活費に余力をもたらすための 先手を打ちましょう。

生活上の心労を少しでも減らして、あなたのうつ症状が着実に快方に向かいますように ^^

 

 

 

3つの「やると良いこと」

結論からお伝えします。
やると良いこと は、以下の3つです。

 ①「自立支援医療」の申請
 ②「国民健康保険税」の軽減申請
 ③「国民年金保険料」の免除または納付猶予の申請

 

オマケで以下についても触れます(ただしハードルは高いです)。

 「個人住民税(都県、市区町村の住民税)」の減免申請

 

①「自立支援医療」の申請

傷病手当金を毎月受給するためには、精神医療の医療機関への通院も毎月必要であることは 過去記事で何回も強調してきましたが、働くことが出来ない状況では その医療費もご負担かと思います。

掲題の「自立支援医療」とは、うつなどの精神疾患の治療に際して 医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です(関連する 厚労省のサイトは こちら )。

この制度を利用するには、あなたが通っている病院が 都道府県の定めた自立支援医療が適用される「指定医療機関」であることが必要です。
なので、通院している病院や薬局が「指定自立支援医療機関」に当てはまるかを 市区町村(役所)の担当課に問い合わせて確認しましょう(直接 病院の事務課や薬局に確認するのも可です)。

尚、この制度は「 精神障害者保健福祉手帳 (いわゆる 精神障がい者手帳)」の有無に関係なく申請可能です。

所得が一定以上ある方は 自立支援医療を受けることができませんが、会社を退職して無収入状態で かつ あなたのうつ症状を医師が「重度かつ継続」という基準に該当すると判断すれば、申請が通る可能性は非常に高いです。
案ずるよりも、先ずは申請に着手してみましょう ^^

 

 

 

 

どの程度 軽減されるか

通常、会社在籍中の社会保険や  退職後に加入した国民健康保険では 医療費の自己負担は3割ですが、「自立支援医療費制度」を利用すると 診察代 および 薬代が自己負担1割で済みます(但し、精神医療に限られます)。

同制度の利用に関して 病院側から積極的な情報提供が無いケースも多々あり、知らないまま傷病手当金の給付期間を終えてしまう方もいます。

もし  あなたのうつが快方に向かわなければ、最大1年6か月の間は 毎月通院して薬を処方してもらわねばならないので、都度の診察代・薬代の負担を3分の1に減らすことが出来るのは大きなメリットでしょう。

 

具体的な軽減例(うつの診察と薬の処方)

以下の様に、約3,000円の負担が1,000円を切るので大変助かります(下記料金は 医療機関や診察の内容によって異なります)。

診察代
 再診料      730円
 処方箋料     680円
 処方加算      90円
 通院精神療法 3,300円
 ーーーーーーーーーーーーー
 合計     4,800円ー①

薬代
 調剤技術料  1,850円
 薬学管理料  1,750円
 薬剤料    1,500円
 ーーーーーーーーーーーーー
 合計     5,100円ー②

 ①+②=9,900円

3割負担の場合は、2,970円
1割負担の場合は、  990

※ 実際の計算では下2桁の端数を繰り上げ等を行います。
  上記はひとつの例として参考にしてください。

 

イラスト:節約しよう!

 

 

申請のしかた

前項の軽減措置を受けるためには「自立支援医療受給者証(以下、受給者証 と言います)」を各都道府県知事から発行してもらい、通院や薬局で都度提示する必要があります。

とはいっても、難しいことは何もありません ^^
以下1. ~5. の手順通りに進めて、先ずは受給者証を入手してください。

 

 

 

1.市区町村(居住地の役所)へ行き、申請書類をもらう

担当している課は 各役所によって課名が異なります(障がい者支援課や、障がい福祉課といった名称の課が担当です)。
窓口で “ 自立支援を申請したい ” と申し出ましょう。

うつ症状が重く外出が困難な場合は、〒郵送も対応してくれます。
あなたの住んでいる地域の区・市役所ホームページ上から郵送請求が可能な場合もあります。
もしホームページ上に “ 窓口に直接お越しください ” と記載されている場合は、役所の担当課に直接電話で事情を説明して郵送を請求しましょう。

 

ワンポイント:自立支援医療の種類

自立支援医療には以下の三種類があります

 ・ 精神通院医療(精神疾患の治療)
 ・ 更生医療(身体障害の治療など)
 ・ 育成医療

今回 該当するのは、精神疾患の治療を目的とする「精神通院医療」です。
もし役所の窓口で聞かれた場合は、“ 精神通院医療の申請です ” と答えてください。

 

 
 

2.申請書類に必要事項を記載する

窓口で「自立支援医療費(精神通院)支給認定申請書」という申請書類を渡してくれます。

受診者の欄に、氏名・性別・年齢・生年月日・住所・電話番号・保険証の番号 等を記載しましょう。

医療機関 等の欄には、通っている精神医療の病院名を記載します。
また、うつの薬を購入するための薬局名と住所も記載が必要です。
うつの薬を院処方してもらえる場合は “ 同上 ” と書けばOKですが、近年 多くの医療機関では院処方が多いので、あなたがうつの薬を受け取りやすい薬局を事前に調べておきましょう(知人に会わないよう、隣町の薬局などを選択する方もいます)。
薬局の候補を挙げたら、電話をして “ 自立支援医療の薬を処方してもらえますか? 通っている病院名は〇〇病院です ” と訊いてください。
個人経営の小さな薬局など、対応してくれない(都道府県の自立支援医療制度 指定機関ではない)ことがあるので必ず確認しましょう。

所得区分という記載欄(生活保護世帯や住民税減免対象の世帯など、あなたの収入や納税に関する状況について記載する欄)は、生活保護・中間層・低所得・一定以上 等から選択して☑チェックを記入します。
自身が何に該当するか分からない時は、役所内で調べてもらえるので未記入で構いません(パワハラ・リストラ退職後に初めて自立支援医療の申請をする場合、「☑ 一定以上」 になるはずです)。

 

3.通院している病院の事務窓口に行き、役所からもらった書類を渡す

「自立支援医療受給者証」の発行は、心療内科や精神科の医師の診断書(市区町村によっては “ 意見書 ” など名称が異なる場合があります)が必要です。
上記診断書(又は意見書)の書面は 役所から受領した申請書の中に含まれているので、うつで通院している病院の医師 又は 事務員に 自立支援医療を受けたいことを告げて、2.で記載済みの申請書とともに そのまま手渡してください。

診断書発行の際、証書料として5,000円前後を請求されます(病院によって金額は異なります)。
しかし、3割負担 ⇒ 1割負担になれば最低2回の通院で元が取れる計算です。

 

 

 

4.役所へ申請書を提出する

 病院から診断書を受領したら、市区町村(役所)へ行ってその診断書と 2.で記載した申請書を担当課に提出してください。
この時、以下のものが必要です(市区町村によって異なる場合があります)。

保険証(国民健康保険、社会保険 等)
印鑑(念のためシャチハタ以外)
マイナンバーが確認できるもの(マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーが記載されている住民票 等。住民票登録のある役所で申請する場合は原則不要です)
本人確認書類(運転免許証、パスポート 等)

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提出と同時に、役所の受付印が押された申請書の控え 及び 自己負担上限額管理表(冊子)を手渡されるので受領してください。
尚、役所では申請に際して手数料等はかかりません。

これで申請の手続きは終了です ^^

 

5.受給者証を受領する(郵送)

受給者証が手元に郵送されて来るまで3か月程度かかるので、それまでの間は 受付印が押された申請書控え 及び 自己負担上限額管理表を、診察代や薬局の会計時に提示)して1割負担にしてもらってください。

()申請書の控えでは対応してくれない病院や薬局もあります。
その場合は、その場で通常の負担額(3割)を支払い、後日 自宅に届いた 受給者証、自己負担上限額管理票、受診時の領収書の3つを役所の担当課に持参して払い戻し手続きをしてください(申請以降の診察代 及び 薬代が対象です。申請前の医療費を遡って払い戻してもらうことは出来ません)。

 

 

 

注意点

病院で発行してもらう証書料は、軽減対象になりません
軽減(1割負担)の対象となるのは、原則 診察料と薬代のみです。

受給者証は、有効期限があります
継続(更新)申請は、有効期間満了日の3か月前から可能です。

もし満了日を過ぎてしまった場合、区・市役所で再申請が必要となり、受給者証の再発行に際して、病院で再度「証書料(5,000円前後)」がかかるので注意が必要です。

 

イラスト:診察と薬

 

その他(負担上限月額のルールについて)

自立支援医療制度では、「医療費の原則1割負担」のルールと併せて、「負担上限月額」というルールがあります。
ひと月の間にかかった医療費が決められている上限額を越えた部分は、公費で賄われます。

詳細は割愛しますが、所得区分で一定所得以上(区市町村民税が23万5千円以上)の場合は、負担上限月額は20,000円です。

具体例として、同じ月の中で診察代・薬代の合算が、
 病院の診察で15,000円
 薬局の処方で10,000円
 合計25,000円となった場合は、

上限月額は20,000円に設定されているので、超過した5,000円は公費で支払われるため 自己負担になりません。
(その他の例:生活保護受給世帯など収入の無い場合は負担上限月額が0円=自己負担は0円となり、医療費はすべて公費負担となります)

パワハラ・リストラ等で退職して同年 又は 翌年に自立支援医療制度を利用する場合は、ほぼ「上限月額20,000円」に当てはまると考えられます。

 

 

この項のまとめ

・自立支援医療制度の利用でうつの医療費負担は3割⇒1割になる
・申請書類は市区町村(役所)から受領し、記載後に病院事務へ
・病院では証書料5,000円程度がかかる(軽減対象外)
・病院の意見書+申請書を役所へ提出後、3か月程度で受給証が郵送される
・受給者証の有効期限に注意(再発行には再び証書料が必要)

 

 

 

②「国民健康保険税」の軽減申請

あなたがリストラなど会社都合退職(自己都合退職は対象外)や倒産などにより離職した場合は、本人の届け出により国民健康保険税(=以下、保険税と言います)が軽減される制度があります。

会社を退職後に 国民健康保険に加入した方が対象です(退職後に社会保険の任意継続を選択した方は対象外)。
前年の給与所得(会社在籍時の給料)を30/100とみなして保険税額が算定されるので、数万円から十数万円超の節約が期待できます。

ただし、傷病手当金の給付を受けている間は 軽減申請は出来ません
なぜなら、軽減申請にはハローワークで発行される「雇用保険受給資格者証」の提出が必須となりますが、傷病手当金の給付期間中は その「雇用保険受給資格者証」をハローワークで発行してもらえないというルールがあるからです。

なので、傷病手当金の給付が終了したタイミングでハローワークに行き「雇用保険受給資格者証」を発行してもらうのが正しい方法です(傷病手当金を1年6か月の間フルに受給した後であっても、何ら問題なく発行してもらえるので安心してください)。

流れとしては、傷病手当金の給付が終了した翌月から失業手当を受給したい場合は、ハローワークでの失業手当給付手続きの中で「雇用保険受給資格者証」を入手しつつ、その受給者証を市区町村(役所)に持参して保険税の軽減申請も行う、という順番になります。

手順:雇用保険受給者証の交付申請

国民健康保険税に関することは市区町村(役所)が窓口になっています。
ハローワークで「雇用保険受給資格者証」を発行してもらったら、速やかに役所の窓口(保険年金課 等)で保険税の軽減申請に着手しましょう。

 

 

「雇用保険受給資格者証」の取得手順

あなたが、傷病手当金の給付が終了した後に失業手当の給付を予定していた場合は、退職後に 失業手当受給期間延長の申請手続き()を行っているはずです。
詳細は【続編③】の記事 こちら > ② やるべきこと(失業手当の手続き編)を参照してください )

 

なので、失業手当の給付を受けるためには、「雇用保険受給資格者証」を所管のハローワークで発行してもらうために、まず失業手当受給期間延長申請の「延長解除手続き」を行う必要があります。

とは言っても、難しいことは何もありません^^
以下の手順に従ってください。

 

1.必要書類の確認と入手

「延長解除手続き」に必要な書類は以下となります。

離職票-1 及び 離職票-2、もしくは受給資格者証
運転免許証 又は 写真付きのマイナンバーカード
(上記が無い場合は、パスポート、住民票、健康保険証など いずれか2種類の組み合わせ)
マイナンバー確認書類
(マイナンバーカード、同通知カード、マイナンバー記載の住民票 左記のうちいずれか1種類)
写真2枚(縦3cm×横2.5cm 正面上半身)
本人名義の普通預金通帳 又は キャッシュカード
(旧銀行のものはNG。外資系金融機関 及び インターネットバンキングの振込口座指定は不可)
印鑑(シャチハタ不可)
筆記用具(こすると消えるボールペンは不可)
受給期間延長通知書(延長申請をした際に受領しているはずです)
受給期間延長申請の解除に係る証明書
( 証明書とは “ 主治医の意見書 ” のことです。所管のハローワークに指定書式があります


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尚、⑧⑨は 受給期間延長手続きを申請した際に、ハローワークから受理しているものです。

⑨ の “ 主治医の意見書 ” については 2.で説明します。

 

2.病院で “ 主治医の意見書 ” の書式に記載してもらう

「延長解除手続き」には、うつで通院していた病院の医師から “ 主治医の意見書 ” の書式に記載してもらう必要があります。
うつ症状が軽快したのでもう働いても大丈夫ですよ、というお墨付きの書面です。役所によっては “ 医師の証明書 ” など名称が異なる場合があります

“ 主治医の意見書 ” は、傷病手当金が終了した翌月の早い段階に 病院(あなたの担当医師)に記載してもらいましょう。
傷病手当金の給付対象となる最後の月が6月だとしたら、7月の第1週目の通院時に 傷病手当金受給の意見書とともに “ 主治医の意見書 ” を入手するのが良いでしょう。
発行料は医療機関にもよりますが、3,000円程度です(自立支援医療制度の軽減対象にはなりません)。

“ 主治医の意見書 ” に記載してもらう際に、担当医師は診察の中で あなたに質問をしてきます。
あなたは、うつが快方に向かっており今後は仕事を探してしっかり働くつもりであることをアピールしてください。

可能であれば、フルタイム勤務も出来ると明言した方が良いでしょう。

なぜなら、もし 医師から 1週間に20時間以上の勤務が出来る状態ではないと判断された場合は、そのことを “ 主治医の意見書” に記載されてしまい、その場合は市区町村(役所)で「延長解除手続き」を受理してもらえないからです(ルール)。

以下、意見書上で押さえておかねばならない最低限の事項(これ以外の記述だと失業手当が給付されない可能性が高い)をご案内します。

イラスト:延長解除証明書

※1 うつ病のみに〇。そう病にも〇がついて「そううつ病」の診断の場合、自動車を運転する仕事は難しいとされる(ご参考まで)。
※2 現在は軽快している旨の記述が必要。
※3 就職活動の開始月(失業手当の給付月)は安定していなければならない。
※4 (1) 以外の選択肢はNG。
※5 現在及び以後も労働習慣は問題ない見込み、の診断が必要
※6 フルタイム勤務に✓以外はNG

 

但し、くれぐれも うつが悪化するような無理は禁物です。
“ 主治医の意見書 ” にフルタイム勤務が可能と書いてもらったとしても、新たな就労先で必ずしもフルタイム契約をしなければならないわけでは無いので、あなたの心身へ過度な負荷がかからない就労先をハローワーク職員の方とともに慎重に見つけていきましょう。

 

 

 

 

3.“ 医師の意見書 ” ほか必要書類をハローワークへ持参する

延長解除手続きのために、1. の必要書類を所管のハローワークへ持参します。

 

4.併行して 失業手当の受給手続きを進める

傷病手当金の給付終了につなげて失業手当の受給を開始する場合は、ハローワークへの求職登録の手続きが必要です。
ハローワークで、延長解除の手続きと併せて着手しましょう。

求職登録は、事前に自宅のパソコンやスマートフォン上でハローワークインターネットサービスにアクセスして仮登録(求職申込書への記載)を行うことが出来ます。

年度替わりの時期(3月~5月)は窓口が混雑するので、事前に仮登録をしてからハローワーク窓口に足を運ぶと 記載テーブルの待ち時間を避けることが出来るので仮登録がおススメです。
☞ 求職申込書の例(ハローワークのサイトから引用/PDFファイル形式)

仮登録をする内容は、氏名・生年月日・現住所など個人情報のほか「希望する業界・職種」、「希望する労働条件」、「経験した主な仕事」などです。

イラスト:申請手続き

 

 

その他(退職時の「国民健康保険」又は「社会保険」選択について)

話が前後して恐縮ですが、会社を退職する際に決めなければならないことのひとつに、“ 退職後に加入する保険を  国民健康保険にするか 社会保険をそのまま継続するか(任意継続といいます)”  があります。
上記選択の基準は  “ どちらが費用を抑えられるか ” に尽きます。
ここで言う費用とは、月額の保険税(料)だけではなく、実際にかかるであろう医療費も指します。

一般的に、国民健康保険は前年の所得ベースで計算され、在職時の年収が高いほど月額保険料が大きくなりやすく、一方  社会保険は退職時の標準報酬月額ベースで計算され、高所得者であっても保険料の上限額が設定されているため  国民健康保険よりも安く済みます。

 

 

また、扶養する家族が多い場合は国民健康保険よりも社会保険が良いといわれます(扶養という考え方が無い国民健康保険と違って、社会保険は1人分の保険料で家族全員の健康保険料をまかなえる)が、月額保険料とともに  家族構成や直近の医療費など総合的に判断して決めるのが良いでしょう。
扶養する家族がいない方の例ですが、目安として年収が600万円だった場合は  社会保険を任意継続した年額保険料の方が、国民健康保険税の年額よりも高くなるケースがあります。

イラスト:健康保険証

もし1人で決められない場合は、以下に相談してみましょう(複数で相談するのも良いでしょう)。

● 会社の健康保険組合
● 役所の国民健康保険課
● 最寄りの社会保険労務士(小規模の事務所なら相談料4,000円程度)

リストラで退職を余儀なくされた方は、退職時の扱いが ほぼ「会社都合退職」であると思いますが、相談の際はこのことを必ず告げてください(国民健康保険税の軽減制度との関係で、どちらが費用を抑えられるかの判断が変わるためです。パワハラ・セクハラが原因で退職を余儀なくされた方は、会社がその事実を認めると認めないとにかかわらず、「会社都合退職」だけは譲らないようにしましょう)。

もし社会保険を任意継続する場合は、退職日から2週間以内に会社の健康保険組合に申し込みが必要など 期限を定めている場合があるので注意が必要です。

社会保険ではなく国民健康保険へ加入する場合は、退職日の翌日から14日以内に市区町村(役所)の窓口へ届け出が必要です。
届け出が遅れると、国民健康保険税を遡(さかのぼ)って支払わねばならないことがあるほか、保険証が無い期間の医療費の支払いが全額自己負担になるなどの不利益が生じます。

 

 

この項のまとめ

・国民健康保険税は市区町村(役所)へ / 雇用保険関係はハローワークへ
・国民健康保険税の軽減申請は、雇用保険受給資格者証が必要
・雇用保険受給資格者証の入手は、
失業手当の受給期間延長解除申請が必要(始めに傷病手当金を受給していた場合)
・“ 主治医の意見書 ” は、週に20時間以上勤務可能の記載が最低でも必要
・国保か社保で悩んだら、プロ(健保組合/役所/社労士)に相談しよう

 

 

 

③「国民年金保険料」の免除または納付猶予の申請

国民年金保険とは、いわゆる “ 老齢年金 ” です。
国民年金保険料(=以下、年金保険料と言います)とは、あなたが年金をもらうために毎月支払う保険料です。


退職後、あなたは「第1号被保険者」という年金加入者に分類されます。
上記は、自営業者・学生・フリーター・無職の方を指します。
毎月の保険料は以下の通りです。

第一号被保険者の定額保険料(令和4年4月現在)

 

もし経済的に苦しい場合、年金保険料の支払い免除  または  納付猶予を申請することが出来ます。

免除や納付猶予の対象となるためには審査がありますが、会社都合退職者であれば  まず審査落ちすることはありません。

 

 

 

免除には、「全額」、「4分の3」、「半額」、「4分の1」の4種類があります。
家計が苦しくて年金を未納してしまうくらいなら 思い切って免除の申請をしましょう
単なる未納だと、遡って2年前までしか納めることができませんが、免除申請をしておけば  経済的な余裕が出来たときに10年前の分まで遡(さかのぼ)って納めることが出来ます。

但し、支払う額を減らすということは 当然  将来受け取る年金も減額されるということなので、それを避けたい方は 余裕が出来た時に確実に納めるようにしましょう。

納付猶予については、市区町村(役所)の保険年金課に相談しましょう。
あなたの状況を伝えれば、どの程度まで猶予が可能かを一緒に検討してくれます(照れや見栄は無しで、うつで診療中のことなども正直に状況を伝えるとスムースでしょう)。

イラスト:年金手帳(イメージ)

免除や納付猶予とは逆に、年金保険料を前払いして納めることも可能です(クレジットカードOK)。
前倒し(前納)には、「6か月分」、「1年分」、「2年分」の3種類があり、例えば2年分をまとめて前納すると、月あたりの年金保険料が約605円割引となり  2年間(24か月)でトータル14,540円の割引になります。
さらに、前納を現金支払いではなく口座振替にすると15,790円の割引になります。

上記の基本的な年金(老齢基礎年金)に加えて付加保険料(400円/月)を納めると、受け取る年金額を増額することが出来ます。
納付月数に応じて、受け取る年金額の年額が「200円×納付月数分」上乗せされます。
“ 毎月400円払って200円のバック? ” という疑問が当然湧きますが、付加年金による増額は年金を受け取り続ける限り永久的に継続されるルールなので、実質的に2年間で元が取れる計算です。
付加保険料は任意の制度なので、役所の窓口で本人の申し込みが必要です。
尚、老齢基礎年金と同様に前納が可能です。

年金についてさらに詳しいことは、「日本年金機構ポータル > 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」もぜひ参考にしてください。

年金保険料の免除・納付猶予制度 詳細は こちら

 

 

 

 

「国民年金基金」について

国が運用している年金とは別に「国民年金基金」という年金制度があります。

国民年金基金は、月の掛け金が高額(50歳ちょうどで加入した場合、最低でも約16,510円~18,510円/月)なので加入をためらう方も多いと思いますが、うつの療養中に将来設計についてじっくり考える資料として  参考までにリンクを載せておきます。

全国国民年金基金のサイトは こちら

 

 

 

この項のまとめ

・毎月の年金保険料納付が苦しい時は、支払い免除を申請しよう
・単なる未納はNG。支払い免除なら10年前まで遡って納付が可能
・年金保険料を前払いすると割引が受けられる
・付加保険料(400円/月)は受給開始から2年で元が取れるのでおススメ
・国民年金基金も検討してみよう

 

 

 

「やると良いこと」、オマケの章

ハードルが高いですが、以下についても触れます。

 

 

 「個人住民税」の減免申請

「個人住民税」とは、いわゆる住民税のことです。
都道府県が課税する道府県民税(東京都は都民税)と、市区町村が課税する市町村民税(区市町村民税)の総称を言います。

会社退職前は当たり前のように天引きされていた住民税ですが、傷病手当金や失業手当など公的給付に生活を委ねている日々において、可能な限り負担を軽くしたいところです。

尚、失業期間中などで収入がなくても 住民税を支払わねばはならないのは 以下の理由に依ります。

▲住民税は前の年(1月から12月まで1年間)の所得に基づいて、当年6月から翌年5月までの住民税額が決定する。
 ↓

▲例えば、令和3年分の所得に応じて令和4年度(令和4年6月から翌令和5年5月まで)の住民税が課税される。
 ↓

▲なので、令和3年は勤めていたけれど令和4年は失業して無収入という場合でも 住民税の納税通知書が送られてくる。

 

 

 

さて、減免が可能かを検討しましょう。
各市区町村(役所)のホームページを覗いてみると、住民税の減免に関して 概ね以下のような記述となっています。

減免の対象:
・生活保護を受けている者
所得が皆無となり生活が著しく困難な者
・自然災害及び人為的災害により被災した者

 

イラスト:税金の減免

減免が認められるかどうかは、役所(納税課、市民税課 等)の審査に通らねばなりません。
減免対象の定義に “ 所得が皆無となり… ” とありますが、自己都合退職や定年退職などはまず審査に通らないと考えてよいでしょう。
要件として、会社都合退職という事情が最低限必要です。

会社都合退職であっても、退職後に傷病手当金や失業手当を受給している場合はそれらも収入として扱われ、その収入に対して支出(家賃、子供の学費などの借金、直近3か月の納税額 等)がどの程度の割合かをチェックされます。

例として、傷病手当金を300,000円受給している場合に 家賃や借金や納税など支出のトータルが300,000円に近くならない場合は、” 生活が著しく困難 ” とは認められず、申請書の受理すらしてもらえない可能性が高いでしょう。
生活収支の確認は預金通帳の提出を求められるので、ごまかすことは出来ません。

個人住民税の減免は、もともとが 生活保護者の救済が制度主旨であるため 日々の食事にも困窮するような状況で無ければ審査に通ることは難しいと言えます。

傷病手当金や失業手当などの公的給付で生活が成り立っている状況であれば、住民税の減免申請はやるだけ無駄なので止めましょう、というのが結論です。

見出しを読んで期待をされた方、申し訳ありません… (^^;)

 

 

この項のまとめ

・所得無しの理由として、自己都合や定年退職ではなく会社都合退職が必要
・役所の担当課による審査があり、預金通帳など厳格に調べられる
・最終的に住民税減免が認められるのは、生活保護者レベルの困窮状態が必要

 

 

リストラ・パワハラ退職後の生活安定を!

職を失ってまず必要なのは、衣食住を維持できる現金と、新しい生活に向けて心身ともに療養する時間です。

その2つを整えるために、積極的に公的給付制度や 税の減免に関する諸制度を活用してください。

前回記事では、傷病手当金・失業手当に関連して「やるべきこと」と「やってはダメなこと」をご案内しました。

当記事では  さらに「やると良いこと」として、支出を減らすアイデアをご紹介しました。

引き続き、頑張って来られた方をさらにサポートする知識を提供してゆきますので ぜひご一読ください !


長文へのお付き合い、ありがとうございました!


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